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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本年度は,対象分子に0_2(X^3Σ_g^-)を選び,無極性分子間での振動エネルギー移動過程の観測および速度定数の決定を目的として,主にO_2どの衝突による振動緩和を観測した。 (1)紫外光解離生成分子の高感度レーザ誘起蛍光(LIF)検出が可能な仕様にフローセルを改良し,LIF励起スペクトル観測と時間分解LIF強度変化観測の2つの測定モードを実験時間内に速やかに切り替えられるシステムを構築した。 (2)オゾン(0_3)の紫外光解離(266nm)により生成る0_2(X^3Σ_g^-)の振動励起準位ν=6-15を,バンドパスフィルタを利用するLIF検出光学系を用いて選択的に検出することに成功した。 (3)系内に0_2を添加した際の,振動励起0_2(X^3Σ_g^-,ν)の占有数経時変化データを,独自に開発したProfile積分法により解析し,過去に測定報告がない準位も含めて緩和速度定数を決定した。その結果,0_2(ν)-0_2衝突系のエネルギー移動効率が,ν=7-14の範囲でνの増加とともに急激に低下する現象を見出し,exponential energy gap lawで説明できることを明らかにした。Pbys.Chem.Chem.Phys.誌より,この成果を投稿するよう依頼され,2007年の特集号"Synergies between Experimental and Theoretical Studies of Gas Phase Reactions"に日本発の唯一の論文として掲載された。 本年度は単一量子緩和過程(ν→ν-1;Δν=1)の観測を行ったが,今後は,多量子緩和過程(v→v-1;Δν=2)の観測と速度定数の決定に向けて研究を推進する予定である。
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