酸素センサー付フロートによる表層溶存酸素の短期変動とその季節変動への寄与の解明
Project/Area Number |
19030004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須賀 利雄 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (70211977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木津 昭一 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40241517)
花輪 公雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40142921)
小林 大洋 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (10360752)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | プロファイリングフロート / 酸素センサー / 溶存酸素 / 季節密度躍層 / 混合層 / 一次生産 / 海面酸素フラックス / 亜表層中規模渦 / 過飽和 / 酸素消費 |
Research Abstract |
東北大学と海洋研究開発機構が、2005年以降、北太平洋中緯度域に展開してきた酸素センサー付プロファイリングフロートによる水温・塩分・密度および溶存酸素の鉛直プロファイル時系列データを解析し、亜表層酸素極大層の消長と密度成層の季節変化の関係を調べた。その結果、夏季の季節密度躍層の発達に伴い、一次生産によって生成された酸素が躍層内およびその直下に捕捉され、酸素極大層が形成されることを確認した。さらに、秋季の混合層の発達に伴い、夏季の一次生産によって蓄積された酸素が、比較的短期間のうちに大気に放出されることを見出した。この過程に伴う、秋季(8〜11月)の北太平洋中緯度帯(35°N〜45°N)における海洋から大気への酸素フラックスは10mmolm^<-2>day^<-1>と見積もられ、これは、従来の大気化学的手法による秋季の酸素フラックスにおける生物過程の寄与を説明するのに十分なフラックスといえる。 また、溶存酸素の海洋内の再配置を担うサブダクション過程について、海洋研究開発機構学術研究船白鳳丸KH-08-3次航海による観測データおよびプロファイリングフロートのデータを用いて調査した。その結果、冬季に40°N以北の混合層で形成された水が、水温・塩分・密度の鉛直一様性と高い濃度の溶存酸素を保持したまま、レンズ状の亜表層中規模渦によって、西向きおよび東向きの平均流を横切るように、約半年で1000km以上南まで運ばれていたことを見出した。これは、亜表層海洋の酸素等の物質収支を考える上で、従来全く考慮されていなかった現象であり、海洋の3次元物質分布の維持・変動メカニズムの理解に貢献する発見といえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)