自己組織性ポリペプチドと脂質二重膜相互作用の直接観察と動力学的解析
Project/Area Number |
19031012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀧口 金吾 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 助教 (20262842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 専 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30273460)
梅田 民樹 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (90243336)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | 巨大人工膜小胞(リポソーム) / 細胞骨格 / 生体膜形態制御 / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 / リアルタイムイメージング |
Research Abstract |
セプチンは植物以外の全ての真核生物から見いだされるよく保存されている蛋白質である。セプチンが線維形成能を持ち、細胞の形態形成や運動などに必須なことから、セプチンは第4の細胞骨格と考えられている。セプチンの欠損や異常が、生物に致死を招き、神経変性、不妊症、腫瘍発生などの多くの疾患の発症進展に関与していることなど、その重要性が数多く示されてきたにも関わらず、セプチンの基本的な性質や機能はまだ不明であった。 今までよく知られている細胞骨格とセプチンが異なるのは、リン脂質と結合して直接生体膜に作用できるところである。そこで本研究では、ブタやラットの脳から得たセプチンを含む画分や、昆虫細胞で発現させ単離してきたセプチンを、細胞とほぼ同じサイズを持つ巨大リポソームに作用させ、リポソーム膜に対してセプチンがどのような作用を及ぼすかを暗視野顕微鏡を用いてリアルタイム観察した。その結果セプチンに膜突起を誘導する強力な活性があることを世界で初めて明らかにし、膜突起の形成伸長過程を可視化することに成功した。暗視野顕微鏡でリポソームの変形を予め確認しておいた試料を電子顕微鏡で観察したところ、セプチンは膜の表面で重合して線維を形成しており、セプチン線維は管状に伸びた膜突起の周囲を取り巻くように並んでいた。膜突起部分の太さは約400nmと揃っており、これは丁度神経シナプス形成に重要なスパイン構造や精子鞭毛の付け根部分などと同じ大きさである。今回の発見により、今まで役割や機能が明確ではなかった第4の細胞骨格であるセプチンが実はダイナミックで細胞膜の形態制御に直接関与していることが明らかになった。 本研究で用いたリポソームを利用した実験系によって、セプチンの活性を簡単に評価できることが示されたので、今まで困難だったセプチンの制御調節因子の探索も可能になった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)