マイクロ波・結晶・光の3ベクトル場相関を用いた電磁波非平衡加熱プロセスの解析
Project/Area Number |
19033005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
芦田 淳 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (60231908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 和樹 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80201151)
沈 用球 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (20336803)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥14,500,000 (Direct Cost: ¥14,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
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Keywords | マイクロ波加熱 / ラマン分光 / その場観察 / 酸化亜鉛 / 格子振動 / マイクロ波プロセス / フォトルミネッセンス / 希薄磁性半導体 / デラフサイト |
Research Abstract |
マイクロ波による水分子の加熱はよく知られているが、固体加熱については注目されてこなかった。しかし近年、誘電体や磁性体、さらには金属がマイクロ波加熱され、その多くが誘電損やジュール損では説明不可能な昇温過程を示すことが見出された。本研究ではマイクロ波照射下の固体の格子振動を直接観測することでその昇温メカニズム解明の手掛かりを得ることをめざした。 格子振動を評価する手段としてレーザーラマン分光法を用い、単一モードマイクロ波の電界振幅最大位置で分光測定が出来るシステムを構築した。試料にはZnOセラミックスを用い、赤外線放射温度計により温度を測定した。また比較対象としてヒーターによる通常加熱下でもラマン測定を行った。 まずラマンピーク波数の温度依存性を評価したところ、E1, E2両振動モードともに明確な温度依存性を示したが、通常加熱とマイクロ波加熱の間には全く差は無かった。すなわち格子振動の緩和状態は加熱法によらず温度にのみ依存する。またE2モードのラマンピークの半値全福は温度にのみ依存し、加熱方法による違いは見られなかった。これに対してE1モードのラマンスペクトル半値幅は、その温度依存性が通常加熱とマイクロ波加熱で大きく異なっていることを見出した。マイクロ波加熱の場合は通常加熱よりも昇温による半値幅の増大が小さく、またその差は温度が高いほど顕著である。E2モードは隣接する正負イオンが同方向に変位するのに対し、E1モードでは全ての正イオンと負イオンがそれぞれ集団で逆方向に変位する。E1モードの場合のみ振動周期の分散が抑制されていることから、このモードが強制励振されていることが考えられる。即ちマイクロ波加熱においては全ての格子振動が一様かつランダムに励振されるのではなく、マイクロ波の電界によって直接的に励振可能なモードがまず強制励振され、そのフォノンが散乱されて他のモードを振動し、結果昇温に至っているものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)