カルシウムによるイオンチャネル活性調節の構造的基盤の解析
Project/Area Number |
19036011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲野辺 厚 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (00270851)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | イオンチャネル / 構造生物学 / カルモデュリン / カリウムチャネル / カルシウム |
Research Abstract |
細胞内のCa^<2+>を始めとする様々なイオンは種々のイオンチャネルの機能を多様に調節する。その作用機序はCa^<2+>結合蛋白質カルモジュリン(CaM)等のイオン結合蛋白質を介した蛋白質-蛋白質間相互作用に基づく機構と、イオンの直接的なチャネルへの結合に基づく機構に大別される。これらの調節機構はチャネルのfolding及び、細胞膜への移行にも寄与するため、イオンによるチャネル機能の調節は多様である。しかしながら、これらの現象の本質である構造的基盤は殆ど不明であった。1、遅延整流性カリウム電流IKsは交感神経刺激や細胞質内のCa^<2+>の濃度上昇によって電流量が増加する。これは活動電位長の短縮と不応期の確保のために、心臓生理学的に重要な調節機構である。IKs構成分子にはQT延長症候群を引き起こす遺伝子変異が多数見出されており、CaMとの結合能を低下した変異も見出されている。そのため、両者の複合体の立体構造はCaMを介したチャネル機能の調節の分子基盤やQT延長症候群の病態の分子基盤が明らかになることが期待された。複合体の単結晶は放射光において2.7Aの分解能で回折したが、結晶化の再現性が乏しく、構造情報の取得に至っていない。2、細胞膜興奮を受容体刺激に依存して調節するG蛋白質制御内向き整流性カリウム(K_G)チャネルは三量体G蛋白質の解離型βγサブユニットやエタノール、Na^+、リン脂質PIP_2によって活性化される。しかし、その分子基盤は不明であった。Kir3.2の細胞質領域の単結晶をNa^+存在下、非存在下で作成し、両者の構造を比較した。その結果、細胞膜直下の限局された領域の構造変化が観察された。電気生理学実験に基づく機能解析の結果、同領域はPIP_2に対する親和性を決定する領域であり、活性化因子Na^+はその構造平衡を高親和性構造にシフトさせることにより、チャネルを開口に導くことが判った。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)