局所阻害法を用いた、微小管の滑り一屈曲変換機構の解明
Project/Area Number |
19037011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 誠 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (40143325)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | PRODAN / UV / 鞭毛 / 局所阻害 / ダイニン / 精子 / ATPase / 屈曲運動 / 精子鞭毛 / PRODAN-UV法 / エバネッセント照明 / 鞭毛運動 / 鞭毛軸糸 / 鞭毛運動阻害 / 微小管滑り運動 |
Research Abstract |
真核生物の鞭毛・繊毛は近年さまざまな分野でその重要性が認識されつつある。申請者が開発したPRODAN-UV法(PRODAN処理後にUVを照射する方法)と全反射顕微鏡を軸として用い、微小管の滑り運動を鞭毛屈曲運動に変換し、それを制御する機構を明らかにする目的で研究をおこなった。 (1) 鞭毛軸糸をトリプシンなどで処理しATP添加すると、微小管が滑り出してくるが、PRODAN-UVのスポット照射によってその箇所で鞭毛軸糸の微小管が固定され、微小管の滑り出しが阻害された。エバネッセント照明によるPRODAN-UV法では、軸糸がねじれることから、鞭毛全体の動きを記録するのが難しく、定量的な解析に至らなかった。 (2) PRODAN-UV法により運動を停止した鞭毛を微小針に付着させ、それを動かすことで鞭毛の硬さを推定した。その結果、照射部分は硬くなっており、ダイニンにより架橋が形成されていることが示唆された。 (4) 再活性化したウニなどの精子鞭毛にエバネッセント照明によるPRODAN-UV法を行い、鞭毛軸糸の直径方向に部分的に阻害する実験は、初期の予想に反して定量的操作が難しかった。これは鞭毛のねじれによる鞭毛のガラス面への付着で機械的に運動が阻害されることなどに起因する。より短いクラミドモナス鞭毛などで試みる予定である。 (5) ポリリジンなどの塩基性長鎖ポリアミノ酸で鞭毛運動が阻害されることを発見した。興味深いことに、PRODAN-UV法と同様に、運動は阻害されるものの、ATPase活性はあまり阻害されなかった。抽出したダイニンのATPase活性も阻害されなかった。これらの共通した性質を今後さらに解析してダイニンの運動機構を新しい視点で解析していく予定である。なお、ポリアミノ酸での鞭毛運動阻害については投稿準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)