Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
1) デグラトンプローブによる可視化SUMO標的タンパク質の同定19年度にひきつづき得られた候補タンパク質の検証を進めた。確認できたタンパク質については、核での局在とSUMO化の状態を、再びイメージングに戻って解析した。更にターンオーバーの状態についても解析を進めた。蛍光タンパク質Kaedeは、光照射によって波長が変化する際にβ脱離反応によりポリペプチド鎖が切断されるため、分子量の違いから光照射の時点で既に存在していたタンパク質とそれ以後に産生されたものを区別でき、パルスチェイス実験が可能である。これを応用することでターンオーバー速度が解析できる。以上の結果から、時間軸に沿ったイメージングの精度について総合的に検証する。新規SUMO化タンパク質が得られる可能性も高いので、その生理的な意義についての解析も実施した。さらに、SUMOの活性化状態そのものを直接的に検出できる実験系の構築を目指して、蛍光寿命測定技術を応用することを試みた。これまでタンパク質同士の結合をFRETで検出する場合には、2色の蛍光強度比によって解析していたため、分子間FRETの検出が困難であった。この問題を蛍光寿命測定装置の導入によって解決することを試みた結果、SUMOの活性化状態をFRETによって、極めて高速に検出することが可能となった。また昨年度より開発を進めていたKaedeのin vivo応用も並行して進め、細胞の動きをトレースできるモデル動物の創出に成功し、免疫系の解析に実際に応用した。
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