細胞質スプライシングにおけるRNA動態-Rlg1上でのtRNAとmRNAの邂逅
Project/Area Number |
19038009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉久 徹 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 准教授 (60212312)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥8,300,000 (Direct Cost: ¥8,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
|
Keywords | 核酸 / 細胞生物学 / 細胞質スプライシング / 細胞内局在 / 微生物 / tRNA / 小胞体ストレス応答 |
Research Abstract |
本年度は、出芽酵母の小胞体ストレス応答(UPR)で非典型的細胞質スプライシングを受けるHAC1 mRNAとRNPを形成することがわかった酵母tRNA ligase Rlg1pの遺伝学的解析を中心に研究を進め、さらに組換えRlg1pを用いたin vitroでの解析へと展開を図った。まず、tRNA ligaseの持つ、tRNAのスプライシング酵素としての機能、HAC1 mRNAのスプライシング酵素としての機能、そして、HAC1 mRNAの翻訳制御因子としての機能が個別に異常となった変異が単離できるかを検討した。多数の温度感受性rlg1およびUPR欠損rlg1を単離・解析した結果、上記の3つのいずれかの機能にだけ欠損を示す変異をそれぞれ単離することができた。特にtRNAのスプライシングに欠損を示すrlg1変異には、単にligation反応が進まない結果としてエキソンが蓄積する変異だけでなく、イントロンを含んだ前駆体も蓄積するもの、さらには、切断されたイントロンも蓄積するものが得られ、Rlg1pがtRNAのスプライシングの複数の局面に必要とされる可能性が示された。また、UPR欠損変異には、明らかにHAC1 mRNAのスプライシングが低下しているものと、そこそのHAC1^i mRNAが生じているにも関わらず、Hac1^iタンパク質の合成できない変異が存在した。これは、Rlg1pが翻訳制御に特異的に働くドメインを持つことを示唆している。さらに、Rlg1p組換え体を用いたin vitroのpull down実験によって、Rlg1pがIre1pで切断される前のHAC1^u mRNAを直接結合することが確認できた。以上のことから、Rlg1pはtRNAやHAC1 mRNAとRNPを形成しつつ、そのスプライシングおよび翻訳制御に直接関わることが明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)