光化学系2酸素発生系変異体を利用した葉緑体環境適応機構の解析
Project/Area Number |
19039017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊福 健太郎 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (50359783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 植物 / 葉緑体 / 環境適応 / 光化学系II / 酸素発生系 / 環境応答 |
Research Abstract |
高等植物OECタンパク質ファミリーの中でも、特にファミリーが多様なPsbP、PsbQプロテインファミリーを中心に解析を行った。PsbPやPsbQは、シアノバクテリアに存在する原核型ホモログ(それぞれcyanoPとcyanoQ)に起源を持つ。昨年度までに高等植物に存在する原核型PsbPホモログPPL1/2の生理機能を、シロイヌナズナ変異株を用いて解析し、PPL1は強光下において損傷した光化学系II複合体の修復過程に関わり、PPL2は循環的電子伝達に関わるNDH複合体の蓄積に必須である事を報告した。本年度はBN-PAGE、及び、スクロース密度勾配遠心等を用いた生化学的解析から、PPL2はNDH複合体の新規サブユニットであること、PPL1も何らかの複合体と相互作用することを明らかにした。 緑色植物特有にPSIIサブユニットに進化したPsbPに関しても、PsbP-RNAiタバコにおいて集光アンテナLHCIIを結合しない不活性なPSIIが蓄積することを認めていたが、in vitroのPSII活性再構成実験を用い、PsbPがPSIIを活性化するのに必須なアミノ酸残基を同定した。 さらにATTED-II等を用いたmRNA共発現ネットワーク解析に基づき、OECタンパク質を始めとするチラコイド内腔タンパク質の機能推定を行い、他のOECタンパク質ホモログの主な標的もPSII複合体とNDH複合体である可能性を示した。実際に幾つかのOECホモログに関しては、その機能をシロイヌナズナ変異体を用いて解析し、予測の妥当性を示した。 PSIIの機能調節とNDH複合体活性は、いずれも環境ストレス、特に過剰な光に対する応答に重要な役割を持つ。従って高等植物におけるOECタンパク質、特にPsbPとPsbQホモログの多様化は、光環境への適応の結果である可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)