Project/Area Number |
19039030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
椎名 隆 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 教授 (10206039)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 葉緑体 / Ca^<2+> / 植物・病原体相互作用 / 過敏感細胞死 / CAS / Ca2+ / ストロマ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Ca^<2+>は植物細胞で中心的な役割を果たしているセカンドメッセンジャーであり、様々な環境ストレスや感染シグナルに応答して細胞質Ca^<2+>濃度の一過的上昇が観察される。葉緑体は光合成器官であるとともに、様々な代謝の場でもあり、各種ホルモンの合成や活性酸素種の発生にも関与している。しかし、葉緑体内のCa^<2+>濃度がどのように制御されているか? 葉緑体内でCa^<2+>をセカンドメッセンジャーとしたシグナル伝達システムが動いているか? などの基本的なことが分かっていない。そこで、葉緑体とCa^<2+>のに基本的な関係を明らかにすることを目的に研究を行った。その結果, 次の事実を明らかにすることができた。(1)葉緑体内のCa^<2+>濃度が、様々なストレスや感染シグナルに応答して一過的に上昇をすることを見いだした。例えば、塩ストレスに対しては数分内に短いCa^<2+>濃度上昇が見られるのに対し、細菌エリシター処理の場合は、数10分かかるゆっくりしたCa^<2+>シグナルが観察された。葉緑体Ca^<2+>シグナルのパターンの違いは、ストレス情報が特異的に葉緑体に伝達されている可能性を示唆する。(2)細菌エリシターflg22に対する応答を薬理学的に解析し、flg22によってまず細胞質Ca^<2+>濃度の一過的上昇が起こり, 引き続きCa^<2+>によって細胞膜上のNADPHオキシダーゼが活性化され、その結果生じた活性酸素種(過酸化水素)が葉緑体のCa^<2+>シグナルを誘導するというモデルを立てた。(3)葉緑体チラコイド膜に局在するCa^<2+>結合タンパク質CASの欠損変異体で、flg22の誘導する防御応答遺伝子の発現が抑制されることを見いだし, CAS(および葉緑体Ca^<2+>シグナル)が感染防御応答の誘導に重要な役割を果たしていることが分かった。さらに、cas変異体では、過敏感細胞死も遅れることも見いだした。以上の結果より、ストレスや感染情報がCa^<2+>シグナルとして一端葉緑体に伝達され、その後、葉緑体の光合成活性などの生理情報を統合した何らかの葉緑体シグナルが発信されて、植物の防御応答を制御している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)