Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
脊椎動物の性決定機構の共通性と多様性を把握するためには、既知の二つの性決定遺伝子(哺乳類のSRYとメダカのDMY)に加えて、さらなる新規性決定遺伝子の同定が必要である。本研究ではトラフグを材料として用いた。この魚はゲノム概要が公開されていることに加えて、一尾の雌が数万の卵を産むなど、性決定遺伝子の解析に有利な面を持つと考えたからである。性決定遺伝子をポジショナルクローニング法で同定するため、大規模家系を利用した連鎖解析をおこなった。その結果、Y染色体上の約30kbの領域内にトラフグの性決定遺伝子が存在することが示された。この領域には遺伝子が2個存在し、両遺伝子は雌雄のトラフグの生殖腺に発現していた。従って、既報の性決定遺伝子が雄特異的であるのとは対照的に、トラフグの性決定遺伝子は両性に存在していると考えられる。候補領域をX染色体とY染色体からクローン化して塩基配列を詳細に比較したところ、性決定に関わる可能性のある領域を複数見いだした。以上の結果から、トラフグの性は、対立遺伝子の多型により決定されると推定した。
All 2008 2007
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Genetics 175
Pages: 2039-2042