Project/Area Number |
19041058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University (2008) Kyushu University (2007) |
Principal Investigator |
小林 隆志 Keio University, 医学部, 准教授 (30380520)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥8,500,000 (Direct Cost: ¥8,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 感染防御 / 寄生虫 / ウイルス / シグナル伝達 / SOCS3 / TGFbeta / Smad / TRAF6 / FLN29 / L. major / TGF-beta / 寄生虫感染 / 制御性 T 細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
感染時に免疫システムは病原体を排除しようとする正の応答と共にそれを抑制する負の応答も生じる。これまでは、正の排除システムに焦点が置かれており、負の制御システムに着目する研究は少なかった。本研究は、1. 負の制御を担う制御性T細胞(Treg)とその分化に重要なTGFβ/Smadシグナル2. 免疫賦活化を抑えるシグナル伝達分子STAT3の負の制御分子SOCS3、3. TLRシグナルめ活性化に重要なシグチル伝達分子TRAF6とその負の制御分子FLN29に着目し感染におけるこれらの病態生理学的役割め解明を試みた。1. L. major寄生虫感染モテルではTregが誘導され宿主の免疫応答強度が決定されるとの報告があるが、感染後のTregの経時的変動について調べたが大きな変化は認められなかった。しかし、T細胞特里的Smad2欠感損マウスへの感染やTGFβ中和抗体の投与でTreg誘導に大きな変化はないものの感染抵抗性が認められたことから、TGFβ/SmadシグナルがTreg誘導以外の機序で寄生虫感染を制御することが示唆された。2. これまでT細胞でSOCS3が欠損するとTregの誘導が亢進しL. major感染が増悪化することを見いだしたが、逆にT細胞でSOCS3を過剰発現させても感染は増悪化した。従って効果的な寄生虫排除にはT細胞でSOCS3め発現が適度に調節されることが不可欠である。この感染増悪化は、ヘルパーT細胞のIL-4産生が亢進しTh1応答によるマクロファージの活性化が抑制されるためであった。3. TRAF6がウイルス感染防御のシグナルを担うRIG-I-like Helicase/IPS-2経路の活性化に重要であり、TRAF6を欠損すると繊維芽細胞はINFβの発現が低下し水泡性口内炎ウイルス(VSV)に易感染性を示すことが明らかとなった。この経路ではTRAF6の下流は、既知のTAK1ではなく、MEKK1に担われていることが示された。一方、TRAF6の負の制御因子FLN29が欠損するとIFNβの産生が亢進しVSV感染に抵抗性を示した。TLRシグナルに機能する分子がウイルス感染防御のシグナルでも重要であることが明らかとなった。
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