Project/Area Number |
19042005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
城地 保昌 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 助教 (30360415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 彰朗 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (30252422)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 生物物理 / ABC蛋白質 / 立体構造ダイナミクス / 分子シミュレーション / エネルギー地形 |
Research Abstract |
本研究は、原子レベルの分子動力学計算を用いてABC蛋白質MalKのエネルギー地形を解析し、その動力発生機構を物理化学的に解明することを目的とする。ABC蛋白質MalKは、ATPの結合・加水分解に伴い立体構造変化することでABCトランスポーターの膜輸送動力を担っている。平成20年度は次の成果を得た。 1. 状態変化によるMalKの応答(非平衡構造転移)のメカニズムを明らかにするために、Targeted Molecular Dynamics(TMD)の手法を用いて、強制的にMalKの構造転移をコンピュータ上に実現した。open⇔semi-openの素過程を観察したところ、基質結合部位とは異なる局所部位に蓄積されたフラストレーションが、構造転移にとって重要な役割を果たしていることが明らかになった。基質結合とこの部位の相関メカニズム解明は、今後の課題である。 2. 平成20年度は、長時間分子動力学計算結果から蛋白質のエネルギー地形を記述する方法論の開発も行った。分子動力学計算結果を用いて蛋白質のエネルギー地形を眺める有効な手段に主成分解析(PCA)がある。しかし、PCAは、原子揺らぎの2次のキュムラントのみを用いた解析であり、高次の相関を含まないため、上記1. の解析には向かない。そこで、平成20年度は、原子揺らぎの高次キュムラントを用いて蛋白質のエネルギー地形を解析する手法を開発し、比較的小さな蛋白質分子で検証を行った。MalKへの適用は、今後の課題である。
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