Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
バクテリアのべん毛モーターは, 生体膜を隔てた電気化学的ポテンシャル差を回転力に変換することのできるナノメートルサイズの膜超分子モーターであるが, そのエネルギー変換機構の詳細は明らかではない。本研究課題は, 30年以上の問題であったべん毛モーターの試験管内再構成を目指した挑戦的研究課題である。グラム陽性菌は外膜をもたないため, 膜構造とべん毛構造は比較的簡素であるので, 本研究ではグラム陽性細菌を用いてべん毛モーターの解析を行った。べん毛基部体(べん毛モーター回転子)の単離精製とべん毛モーター固定子の単離精製を試みた。また, 高温環境から単離された好熱性バシラスを分与いただき, その運動能に関して解析を行った。 好熱性バシラスGeobacillus stearothermophilus NBRC 12550株を用いてべん毛基部体の精製を試みた。べん毛繊維を精製することはできたが, べん毛基部体の精製には至らなかった。好熱性バシラスGeobacillus kaustophilus HTA426株のべん毛固定子の遺伝子をクローニングした。その後, タグ配列の挿入などを進めて精製の効率化を企てたが, 固定子タンパク質の精製には至らなかった。分与いただいた3菌株について生育と運動能を解析したところ, 2菌株は良好な運動能を示さなかったが, 1菌株は良好に運動した。この菌株は50℃から60℃にかけて良好な生育を示し, 60℃で生育した際にもっとも良好に運動能を示した。以上のように, 研究環境や実験材料を整え, べん毛基部体とべん毛固定子の精製に向け研究を進めることができた。
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