Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
全反射蛍光顕微鏡法により1分子観測することが可能となったが, 観察蛍光分子の濃度は50nM程に限られる。申請者が提案する「量子ドット(以下QD)と蛍光共鳴エネルギー移動(以下FRET)を組み合わせた1分子イメージング手法」は、観察蛍光分子の濃度を従来の200倍まで引き上げることが可能である。 本手法はミオシンに標識したQD(ドナー)とCy3-ATP(アクセプター)間のFRETにより実証する. QDとヌクレオチドポケットの距離を可能な限り短縮するため, QDの粒子径とミオシンへの標識方法を検討した. まず12アミノ酸からなる短鎖ペプチドで表面処理したペプチドコートQDを作成した。短鎖ペプチドは, QDに配位結合するポリシステインと親水性アミノ酸からなり、結果として粒子径の小さな親水性QDが得られる. 次に、ミオシンVの270番目のリジンをシステインに置換した変異体(K270C)を作成した。K270Cのシステイン残基のチオール基とコートペプチドのアミノ末端を架橋することで、ペプチドコートQDとミオシンVの特異的近接結合を実現した。作成したQDミオシンVをカバーガラスに固定し、Cy3-ATPの加水分解を高濃度1分子イメージングしたところ, Cy3とQDの蛍光強度は逆相関を示し、ヌクレオチドの結合解離をFRETのクライテリアで検出できた。ヌクレオチドの解離速度は, ミオシンVのMg ATPase rate(0.02〜0.03 S-1)に一致した. また, 試行錯誤の過程でCaATPase(0.07s^<-1>)がMg ATPaseの約3倍速いことが明らかになったため, Ca存在下での高濃度1分子イメージングを行ったところ, 期待通りの速い解離速度が検出できた.
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