Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
Keap1-Nrf2システムは, 生体の酸化ストレス・親電子性物質応答に関わる遺伝子発現制御システムである。Keap1は, 酸化ストレスに対するセンサーであり, 一方Nrf2は酸化ストレス防御遺伝子の発現を活性化する転写因子として機能する。最近申請者は, 酸化ストレスセンサーであるKeap1が, Cul3型ユビキチンライゲースのアダプターとしての機能も持ち, 転写因子Nrf2をプロテアソーム依存的にすみやかに分解していることを, 世界に先駆けて明らかにした。さらに, 酸化ストレスによるNrf2の活性化の実態は, Keap1-Cul3ユビキチンライゲースによる分解抑制からの脱抑制であることを示していた。本研究では, この酸化ストレスによるKeap1依存的ユビキチン化反応の阻害機構とさらに他のシグナル系とのクロストークについて解析を行った。 まずKeap1とM2の相互作用は, Nrf2のNeh2ドメイン内にあるDLGモチーフとETGEモチーフがそれぞれKeap1のDGRドメインと相互作用することを示した。DLG-DGR間の結合親和性はETGE-DGR間よりも低く, この結合が解離してもNrf2のユビキチン化が阻害され, 安定化することを見出した。したがって, 酸化ストレスによるNrf2の活性化機構の実態は, Keap1のシステイン残基の酸化修飾によりKeap1二量体の構造変換をもたらし, DLG-DGR間の結合が解離することにあるという申請者の仮説を支持した。さらにこのDLG-DGR間の結合を阻害する因子としてオートファジーに関わるp62を同定した。p62は, Keap1のDGRドメインに結合することで, Nrf2とKeap1の相互作用を競合的に阻害した。すなわち, 細胞内のバルクなタンパク質分解機構であるオートファジーとKeap1-Nrf2システムのクロストークの存在を明らかにした。
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