Wntシグナルの転写因子Lef1のタンパク質分解の制御機構と生理学的意義の解明
Project/Area Number |
19044035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石谷 太 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特任准教授 (40448428)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥7,200,000 (Direct Cost: ¥7,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | Wntシグナル / Tcf / Lef / NLK / ゼブラフィッシュ / beta-catenin / Wnt シグナル / ゼプラフイッシュ |
Research Abstract |
Wnrシグナル伝達系は、「動物の体の形態形成」、「幹細胞の増殖」、「癌の発症」に関わる重要なシグナル伝達経路である。Wntシグナルが活性化した細胞では、細胞質内でβカテニンが安定化し、その結果としてβカテニンが核内に移行して転写因子Tcf/Lefが標的遺伝子の転写を誘導する。これまでに、βカテニン及びTcf/Lefファミリーの転写因子Lef1がユビキチン-プロテアソーム系によって分解されていることが明らかになっている。本研究においては、Wntシグナルの制御に関わる蛋白質分解の機能と制御を解析する。 他の研究グループによる培養細胞株を用いた研究により、プロテインキナーゼNLKがLef1をリン酸化し、このリン酸化がLef1の蛋白質分解を誘導することが最近明らかになった。私たちはこれまでに、NLKがプロテインキナーゼHIPK2によって活性化されることを明らかにしている。私と共同研究者であるDr.Verheyenは、HIPK2がNLKの活性化を介してLef1の分解を誘導するのではないかと予測し、ショウジョウバエを用いてこの可能性を検討した。ショウジョウバエにおいてHIPK2を機能阻害したところ、予想外なことに、Wntシグナル低下個体と同様の翅形成異常を示し、また、翅原基においてβカテニン蛋白質の減少が観察された。さらに、HIPK2を過剰発現したところ、Wntシグナル亢進個体と同様の翅形成異常やβカテニン蛋白質の増加の誘導が観察された。また、培養細胞株を用いた実験により、ショウジョウバエHIPK2がショウジョウバエβカテニンに結合してこれをリン酸化することが明らかになった。以上の結果より、ショウジョウバエにおいてHIPK2がβカテニンの安定性を促進し、Wntシグナルを促進することが明らかになった。本成果は、Development誌において公表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)