神経細胞傷害時のアストロサイト活性化におけるセルセンサー分子の役割
Project/Area Number |
19045001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南 雅文 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授 (20243040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 貴博 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (90399957)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 神経細胞傷害 / アストロサイト / HMGB1 / BDNF / TLR2 / TLR4 / RAGE / 脳スライス培養系 / ATP / TRPチャネル / 形態変化 / ケモカイン / グリア細胞 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ラットの大脳皮質線条体領域から作製した脳スライス培養系を用いた研究から、NMDA処置による神経細胞の特異的傷害が、アストロサイトにおいてケモカインMCP-1の産生を惹起することを明らかにしているが、本研究において、他のケモカインCINC-1に関しても、NMDAによる神経細胞傷害時にアストロサイトにおいてその産生が亢進し、このCINC-1産生に、MCP-1同様、アストロサイトでのMEK-ERK系の活性化が重要であることを明らかにした。 一方、近年、DNA結合タンパクHMGB1が、細胞傷害時に細胞外に遊離され細胞間情報伝達を担う因子として注目されている。脳スライス培養系において、HMGB1は、神経細胞、アストロサイト、ミクログリアいずれの細胞の核でも認められるが、NMDA処置後、神経細胞におけるHMGB1免疫活性は消失し、一方で培地中HMGB1量は著しく増加した。次に、HMGB1がサイトカイン・ケモカイン類のmRNA発現に及ぼす影響を検討した。その結果、リコンビナントHMGB1処置によって、その濃度依存的に神経栄養因子の1つであるBDNFのmRNA発現が有意に低下することが明らかとなった。また、HMGB1の受容体として働くと考えられているTLR2、TLR4、RAGEの発現を脳スライス培養系において検討したところ、これら3種の受容体全てのmRNA発現が確認された。以上の結果から、神経細胞傷害時に傷害を受けた細胞から遊離・漏出するHMGB1が、周囲の生存細胞へ作用し、BDNF mRNA発現を低下させる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)