部位特異的に発現する温度センサーの機能的相違とその修飾メカニズム
Project/Area Number |
19045023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 恵 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (10140641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古江 秀昌 九州大学, 医学研究院, 助教 (20304884)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 熱刺激 / カプサイシン / TRPV1 / 脊髄後角 / C線維 / In vivoパッチクランプ / スライス標本 / 炎症ラット / TRPA1 / 熱感覚 / 冷感覚 / in vivo パッタクランプ / 伝達物質放出 / 微小EPSC |
Research Abstract |
熱センサーは末梢に加え、脊髄中枢側にも発現している。しかし、末梢側、中枢側における環境相違のため、両端におけるセンサー機能およびそのモーダルシフトは異なることが推測される。そこで、中枢側は脊髄スライスを用い、末梢側はin vivoパッチクランプ法を用い、センサー機能の相違を検討した。さらに、両側における機能が病的状態時に如何なるモーダルシフトを受けるかを明らかにすることを目的とした。まず、中枢側のTRPV1機能を明らかにするため、正常ラット脊髄のスライス標本を用いて、膠様質細胞からパッチクランプ記録を行った。カプサイシンは記録を行った多くの細胞で微小EPSC(mEPSC)の頻度を増加させた。次に、足底にCFAを注入して作製した慢性炎症ラットでも同様の実験を行った。カプサイシンはより高頻度で長く持続するmEPSCを誘起した。この結果は殆ど全ての膠様質細胞がTRPV1受容体陽性のC線維入力を受けており、かつ、炎症によって末梢側のみならず中枢側のTRPV1受容体もモーダルシフトを受けていることを示唆する。次いで、末梢側熱センサーの機能的変化を明らかにするため、in vivo標本を用い、受容野へのカプサイシン塗布、または熱刺激を加えた時の応答を解析した。カプサイシン塗布は多くの細胞で活動電位を誘起したが、一部の細胞では自発性の活動電位の抑制が見られた。ペルチェ素子を用い50℃の熱刺激を加えた時には、記録した何れの細胞でも活動電位の増加は観察されなかったが、一部の細胞では自発性の活動電位の頻度の減少が観察された。活動電位の発生頻度が減少した細胞に、カプサイシンを直接脊髄に投与すると、活動電位は長期に渡って増加した。以上の結果から、多くの膠様質細胞はTRPV1を発現したC線維入力を受けているが、そのC線維は熱覚とは異なる感覚情報を伝えている可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(82 results)