線虫C.elegansのAWC嗅覚ニューロンによる環境適応
Project/Area Number |
19045028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
桂 勲 National Institute of Genetics, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00107690)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
|
Keywords | 線虫C.elegans / 行動 / 餌 / 変異体 / 分子生物学 / 学習 / 環境適応 / 線虫C. elegans |
Research Abstract |
線虫C.elegansは、ブタノンの匂いと餌を同時に体験するとブタノンへの化学走性を特異的に促進させる。我々は、この行動可塑性を発見して「ブタノン促進」と命名し、変異体の分離・解析によりその機構を解析している。本研究開始以前にブタノンを感じるAWC嗅覚ニューロン(AWC-ONとAWC-OFFから成る)の内、AWC-ONの感覚繊毛の機能が重要なこと示したが、そこに直接関与する分子は不明だった。そこで、昨年度は新たな変異体の解析を行い、その原因遺伝子が嗅覚受容体と共役するGタンパク質αサブユニットODR-3であることを明らかにした。ODR-3の働きが全く失われるとブタノンの嗅覚自体が失われるが、この変異体は細胞表面のアミノ酸残基を置換するミスセンス変異体で、嗅覚自体は正常である。本年度はODR-3がどの細胞で働くかを決めるために細胞特異的プロモーターにODR-3のcDNAをつないで導入したが、この実験系が全く機能せず困難に遭遇した。試行錯誤の結果、cDNAの代わりにイントロンを含むコード領域を使うとうまく行くことを見つけ、ODR-3はブタノン促進のためにAWC嗅覚ニューロンで働くことを示した。また、ODR-3や嗅覚受容体と相互作用する様々な分子の変異体でブタノン促進を調べ、Gタンパク質共役受容体リン酸化酵素の1つであるGRK-2の変異体が異常を示すことを見つけた。この結果は、1つの可能性として、餌の信号がGRK-2を通してODR-3においてブタノンの信号と統合され、ブタノン促進を引き起こす可能性を示唆する。本年度は技術的な困難のためにブタノン促進の研究はゆっくりとしか進まなかったが、本研究費を用いて、脱糞行動・感覚・成長などを制御するフッ素イオン耐性(刀の変異体の研究も行い、クラス2flr遺伝子群が糖タンパク質ホルモン信号伝達系の成分をコードすることを発見した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)