Budget Amount *help |
¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
Fiscal Year 2008: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2007: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究の第一の目的は, 新経済地理学(空間経済学)分野で発展してきた都市集積理論を, 多数の都市を扱いうる理論に一般化することである. そのために, まず, 従来研究による2都市CP(Core-Periphery)モデルをN都市モデル(N>2)に拡張した. そして, その均衡解の分岐パターンおよびメカニズムを解明するための方法(群論的分岐理論と数値分岐経路追跡の併用法)を開発した. 解析の結果,多数の都市が円周上に位置するCPモデルでは,輸送・交通費用の変化に伴い,"空間的な周期倍分岐"に代表される多段階の対称性破壊分岐が起こることを明らかにした. さらに,"空間的割引行列"の概念に基づいた新たな解析的アプローチも開発した.このアプローチを用いることによって,様々な集積・分散現象の具体的な仕組みが解析的に明らかにされた. 本研究の第二の目的は, 都市集積モデルの複数均衡選択問題に対して, 現実的な原理を導入した動学モデルを構築し, その理論的な特性を明らかにすることである. 本研究では, まず, 経済状態の不確実性(確率動学的なゆらぎ)を導入した動学モデルを構築した. そして, この確率的な状態変数の導入によって, 確定的な従来モデルでは不定であった動的な均衡経路が一意的に決定されることを証明した. また, 状態変数のゆらぎにともなう均衡状態の確率分布は, 定常状態に収束することを示した. これらの結果から, 従来研究によって主張されていた「消費者集団の期待によって, 複数の均衡解間での逆転的推移が生じる」といった現象は, 確率論的に無視できることを明らかにした. さらに, 上記の動学的均衡モデルに加え, 社会的最適状態モデルを構築した. このモデルは確率的インパルス制御問題として定式化され, 変分不等式理論に基づく数値解法を開発した. 系統的な数値実験により, 最適制御ルールの特性, および均衡状態と社会的最適状態の相違が明らかにされた.
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