Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
脳虚血耐性現象は、短時間の非致死的虚血負荷により、引き続く致死的脳虚血に対して強力な脳保護効果が誘導される内因性神経保護機構であり、脳梗塞治療の観点から注目されている。我々は心筋虚血や癌細胞の細胞死の制御に重要な役割を果たしている細胞内伝達機構の一つのJAK-STAT 経路に注目し、ラットの一過性前脳虚血モデルを使用して脳虚血耐性現象への関与を検討した。研究の結果、脳虚血に対して脆弱な海馬のCA1 という特定の領域の神経細胞において、脳虚血後リン酸化STAT3 の一過性発現の増幅がみられ、これが虚血耐性の脳保護機序に強く関与している可能性が示唆された。