アッバス・キアロスタミにおけるイスラミック・モダニズムの諸相
Project/Area Number |
19520095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 久美子 The University of Tokyo, 教養学部, 准教授 (30447320)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2008: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 表象文化論 / 映画論 / イスラム文化論 / イラン文学 / 芸術諸学 / イラン映画研究 |
Research Abstract |
本研究はイランの映画作家アッバス・キアロスタミ(Abbas Kiarostami,1940-)の映画・映像作品をもとに、近代イランにおけるモダニズムの諸相、とくに芸術分野での西欧モダニズムの受容の実態を明らかにすることを目的とする。昨年度はフランスのジョルジュ・ポンピドゥ国立文化美術センターで開催された「エリセ/キアロスタミコレスポンダンス」展で、キアロスタミの写真およびインスタレーション作品を研究した。また、アッバス・キアロスタミ回顧上映会で革命以前の作品を鑑賞した。これによって、(1)キアロスタミの映画作品の理解には、写真、絵画、インスタレーション、舞台監督と、近年ますますクロス・メディア的に範囲を広げつつある彼の芸術活動全体を俯瞰する必要があることが明らかとなった。こうした傾向は最新作『明日へのチケット』(2006)で、複雑な視線のメカニズムによって二次元空間のなかに三次元的要素を現出するという空間構成に顕著に現れている。(2)その一方で、映両作品を見る限り、革命以前から今日まで一貫した主題を扱っていることがうかがえ、映画を岫にしてキアロスタミ諸作品を考察する可能性が開かれる。本年度は以上の成果をふまえて、計画書に記載の通りテヘランで研究および資料収集にあたる予定であったが、査証申請が思うように進まず、あえなく渡航を中止することとなった。かわって、これまで中心的に扱ってきた視覚芸術に加えて、キアロスタミの文学的活動も射程におさめ、西欧モダニズムの受容を映像と文学の関係から再考することを計画している。一身上の都合により所属機関を離れることとなったが、本研究自体を断念するわけではない。今後、さまざまな形で研究成果を順次発表していく所存である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)