Research Project
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明治期金沢市には数万人(戸主は約1万人、以下の数字は戸主)もの士族が在住したが、そのうち商人は約千人で、士族の1割、商人の2割を占めた。主に下級武士が中小規模の商業を営み、業種にも士族的な特徴が見出せた。また多数の士族が軍人(将校)・官吏・県官吏・市役所吏員にもなったが、概して輩出率が最も高かったのは最下級・上級武士層ではなく、中級武士層であった。石川県官吏・金沢市吏員の地位と旧禄高はある程度相関があり、地方政府の中には藩政期のヒエラルキーが明治中期にもある程度残っていた。