東アジア諸国の福祉国家化過程を比較するための手法に関する予備的研究
Project/Area Number |
19530519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Social welfare and social work studies
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
北場 勉 日本社会事業大, 社会福祉学部, 教授 (50328879)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 東アジア / 福祉国家 / 経済史 / 政治史 / 社会史 / 都市への人口流入 / 都市への定着化 / 都市の個別性 / 都市の普遍性 |
Research Abstract |
市制(1888[明治21]年)で誕生した東京市は、当初15区(旧市域)であったが、1932(昭和7)年に周辺の5郡82町村(新市域)を編入して35区になる。東京への入口の流入は一貫して継続しているが、大正期(第一次世界大戦期)には、旧市域の入口が停滞し、新市域の人口増が顕著となる。新市域の人口増には旧市域からの入口移動も含まれるが、その背景には都市問題がある。農村からの流入者のうち、就学のための流入者は近代産業の上層に、就職のための流入者は近代産業の下層に、また、近代産業の下層に入った者が自営化して、伝統的産業にも就いた。 都市問題の激化、普通選挙制に向けての政党の党勢拡大、旧地域社会崩壊への危機感などを背景に、大正期に、町内会の設立が激増する。財政力の十分でない行政も地域をまとめる役割を期待し、行政がバックにいることで、町内会の住民に対する影響力も増した。この町内会との密接な関連の下に東京市に「方面委員制度」が具体的に創設されてくる。 方面委員の職業構成は、自営業(商業・工業)が圧倒的に多いが、新市域では農業もある。旧市域の方面委員は明治期に来住してきた先住者が多いと考えられ、必ずしも「地付き」の名望家ではない。 大正期の中期には、新市域において人口の定着・再生産(=家族化)の傾向が顕著となり、旧市域から新市域への人口移動がみられる。方面委員の活動は、こうした変動に取り残された貧困世帯の異常状態(疾病・世帯主の就業不能等)に対して応急措置(医療保護、配偶者・子の就労支援、就籍・就学等)を講じ、最終的に世帯主の就労による下層家族の都市家族としての定着化を図ったものだと思われる。 なお、大阪の方面委員は、町内会でなく学区単位で編成されたが、相対的に古い地域組織が残ったことによると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)