Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
新しい機能を有機化合物に追求し開発してゆくには、単に既存の化合物の修飾にとどまることなく、新規な構造の化合物を合成して、その構造に固有の諸性質を明らかにしてゆくことが不可欠である。特に、パイ電子共役系は有機化合物の物性・機能性の根幹素材であり、新たな構造要素を組み込んだパイ電子共役系を創出することは、学術的に興味深いだけでなく、高度な機能性を持つ新物質を創造するための先端材料開拓の観点からも重要である。本研究では、構造要素として珍しい円筒形パイ電子共役系を持つマクロサイクル類をターゲット分子として、我々が世界に先駆けて進めてきた独自の方法を用いて新規な円筒形パイ電子共役分子の合成を行い、その特異な構造と性質との相関を検討した。ここで得られた成果は、先例がほとんど無い円筒形パイ電子共役系分子を合成することを可能にする一般性ある方法を提供するものとして価値があるだけでなく、その構造がナノテクノロジーや分子デバイス開発の観点から注目されているカーボンナノチューブと関連していることから、将来展望として当該分野の発展にも寄与することが期待される。
All 2009 2008 2007
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (16 results)
Langmuir 24
Pages: 5650-5653