Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Research Abstract |
溶湯の取り扱いが容易なアルミニウム合金(ADC12)を使った吸引式流動性試験を行い,SKD61 製金型内部における流動停止時間と流動長に及ぼす諸因子の効果を検討した.流動停止時間は吸引圧力の増加に伴い短くなるが,熱伝導のみを考慮した従来の式による予測値よりは長かった.全流動長は,吸引圧力の概ね1/2 乗に比例して長くなるが,十分に溶湯が充満する領域の長さである充填部長は,ある吸引圧力以上で変化が緩慢となった.充填部長と流路等価直径の比は,ウェーバー数,レイノルズ数,溶湯温度比の関数として整理することが出来た.また,ADC12 合金の吸引式流動性試験に関する数値解析を行い,実験結果との比較により金型表面での熱抵抗値を逆解析した.その結果,金型表面での熱抵抗値を5~6μm2K/W とした場合に,計算による流動長が実験結果に概ね一致した.引き続き,Mg 合金にアルミナ短繊維を混合した溶湯を作成し,流動長実験を試みる予定であったが,防燃を行いながらアルミナ短繊維を攪拌することが困難であったため,流動長実験は今後の課題とした.AZ91D 粒子にアルミナ短繊維を混合した原料を作成し,これをMg 合金射出成形機に直接投入して成形実験を行った.アルミナ短繊維の混合割合は10mass%に固定し,成形品は厚さ2.5mm の平板状に限定した.Mg 合金射出成形機内ではスクリュの回転により原料を輸送するため,これによる攪拌効果により,アルミナ短繊維はMg 合金中に一様に分散されることが分かった.また,アルミナ短繊維混合Mg 合金では,肉厚部でのヒケが生じにくかった.これは,アルミナ短繊維混合Mg 合金の硬さが,通常材であるAZ91D に比べて高いためと考えられる.一方,降伏点や引張強さに関しては,通常のAZ91D とほとんど変わらない結果であった.この原因は,アルミナ短繊維の混合割合が10mass%(体積割合では約5vol%)と低いためと考えられ,今後は,アルミナ短繊維の混合割合を増加させた場合について継続的に検討を行うこととした.
|