Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
タンパク質栄養状態が悪い「低栄養ストレス」時には、成長期の動物で成長遅滞が生じる。この成長遅滞は、成長を司るホルモンであるIGF-Iの作用を、IGF結合タンパク質のひとつであるIGFBP-1が抑制することによって生じる。本研究ではタンパク質低栄養ストレスがIGFBP-1合成を増加させる機構を分子レベルで解析することを目的として行なった。その結果、1)栄養ストレスは動物個体においてmTOR経路を不活性化してインスリンによるIGFBP-1合成抑制を阻害すること、2)栄養ストレスは動物個体においてmTOR非依存的にもIGFBP-1合成を促進すること、3)栄養ストレスによるmTOR不活性化は酸化ストレスの抑制によって解除できないこと、4)栄養ストレスによって生じるmTOR非依存的なIGFBP-1合成の促進は酸化ストレスによって引き起こされること、を明らかにした。本研究の結果から、タンパク質低栄養のシグナルは一部が酸化ストレスに変換されて動物の成長を制御することが明らかとなった。
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J. Clin. Biochem. Nutr. 43S1
Pages: 445-448