Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Research Abstract |
C 型慢性肝炎では男性に比して女性で肝炎活動性が軽微な症例が多いなど,肝病態には性差が認められる。肝炎はTh1 系免疫応答により発症するが,オステオポンチンはその開始に必須のサイトカインであり,肝細胞にその発現が見られる。従って,肝炎活動性は肝細胞の発現するオシテオポンチンによって調節されていると推定され,これが肝病態における性差も規定している可能性がある。我々は,オステオポンチン遺伝子プロモーター領域の塩基配列を解析し,ほぼ100%の連鎖不平衡を呈するnt -155,-616,-1,748 の3SNPs と,これと独立したnt -443 のSNP を見出した。これらSNPs に関して,調節機構を解明するためにPC 解析したところ,nt -443はallele がT の場合にCdxA が,nt -155 は何れのallele でもY 染色体にコードされるSRY が,deletion mutation の場合はoxD3 が結合することが明らかになった。そこで,これらSNPs の結合領域を含む30 塩基からなるoligonucleotide をallele ごとに合成し,ビオチン標識した。一方,雄性のHep 細胞,雌性のHela 細胞にdexamethasone を添加した後に核蛋白質を抽出し,雄性および雌性の活性化核蛋白抽出分画を作成した。標識oligonucleotide と活性化核蛋白抽出分画の混合液を電気泳動してgel-shift アッサイを行ったところ,HepG2 細胞の核抽出物を用いた検討ではCdxA,SRY,FoxD3 と,Hela 細胞での場合にはCdxA,FoxD3 とologonucleotide の結合を示すビオチンシグナルが検出され,オステオポンチンの発現調節に性差があることが確認された。更に,これら一連の検討の過程で,nt -155 の近傍に結合する未知の転写因子が存在することを見出したが,同因子は女性由来の培養細胞には発現しているが,男性由来の細胞には認められないことを発見した。従って,C 型慢性肝疾患における病態の性差は,nt -155 のSNP と男性固有のSRY および女性固有の未知の転写因子によって規定されている可能性があることを明らかにした。
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