Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
β1インテグリンは細胞接着、細胞遊走、細胞増殖、サイトカイン産生、細胞の生存シグナル等の様々な生物学的機能を担っており、これらの過程において、接着シグナルを細胞内シグナルに変換するレセプターとして働く。一方、関節リウマチ(RA)の炎症反応にβ1インテグリンを介するT細胞の活性化やその後のT細胞遊走能の亢進が関与するという証拠が多数蓄積している。また、RA患者における滑膜細胞、滑液細胞や血管内皮細胞ではβ1インテグリンのリガンドであるフイブロネクチンやVCAM-1等の発現が高まっている事が報告されている。本研究は、それらの知見に基づき、我々が確立したCas-L 分子について、以下の検討を行った。1) Cas-L/NEDD9結合蛋白Nckのインテグリン由来シグナル及び生物学的意義 : 我々は、Cas-Lのチロシンリン酸化依存的に結合する分子として、SH2 ドメインとSH3 ドメインのみからなるアダプター蛋白質Nck と、SH2 ドメインを持つチロシンフォスファターゼであるSHP-2 を同定した。我々は、Nck が、Cas-L のチロシンリン酸化されたsubstrate domain にSH2ドメインを介して結合すること、T細胞において、Cas-L がlipid raft に恒常的に一部存在し、TCR及びβ1インテグリン刺激によりNckがraft内でチロシンリン酸化されたCas-Lにリクルートされること、Cas-L 欠損マウスの脾細胞を用いてNck のraft への刺激依存性の移行の低下を見出した。また、RA滑膜患者検体において、Nck高発現細胞の炎症局所への浸潤が認められた。2) Cas family遺伝子ノックアウトマウスと関節リウマチモデルマウス・骨粗鬆症モデルマウスとの交配による、関節リウマチ・骨粗鬆症におけるCas family 遺伝子の病態生理学的意義の検討 : Cas-L 欠損マウスを用いてコラーゲン関節炎モデルマウスを作成し、関節リウマチの発症率・重症度を腫脹関節数とその程度によるスコアリングを行った。その結果、Cas-L欠損マウスにおいては、関節炎の発症は野生型マウスよりもやや早いものの、その重症度は有意に減少していた。さらに強いコラーゲン関節炎をおこすDBA/1 backgroundに遺伝的backgroundを変換して、Cas-L 遺伝子の影響を解析するため、Cas-L 欠損マウス (C57/B6)と、DBA/1野生型マウスとの交配を行っている。また、骨粗鬆症モデルマウス(OPG 欠損マウス)と、同一バックグラウンドの野生型マウスを用いて、骨密度の評価を行い、OPG 欠損マウスでは有意に骨密度の減少が確認できた。現在、OPG 欠損マウスと、Cas-L欠損マウスの交配を行っており、Cas-L 遺伝子の欠失による、骨密度の減少に対する影響を検討する予定である。
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