Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Research Abstract |
ヒト胆道癌(胆嚢癌,肝外胆管癌,肝内胆管癌)標本においてerbB2を含むerbB family membersの発現プロフィールと,それらのhomodimerizationあるいはheterodimerizationの状況,下流シグナル分子を明らかにする.また,erbB family membersのhomodimerizationあるいはheterodimerizationを修飾する考えられる糖転移酵素の役割について検討した. ヒト胆道癌における手術標本についてerbB family member(EGFR,erbB2,erbB3)の発現頻度について免疫組織化学およびFISHにて検討した.その結果,免疫組織化学では,EGFRは12%,erbB2は33%,erbB3は27%に発現していた.FISHでは,EGFRは4%,erbB2は20%,erbB3は23%にgene amplificationが観察された.また,免疫組織化学およびFISHの解析結果において,erbB2およびerbB3の両分子を過剰発現している症例ではerbB2のリン酸化(活性化)が高頻度に認められた.ヒト胆道癌では,erbB2がerbB3と会合している可能性が示唆され,erbB2の下流シグナル経路ではp-Aktの発現頻度が高いことより,PI3kinase pathwayが主経路であると考えられた.さらに,ヒト胆道癌ではerbB2の標的分子であるN-アセチルグルコサミン転移酵素V(GnT-V)の発現も73%の症例に認められた.胆道癌細胞10種類ではいずれも高いGnT-V活性を有していた.erbB2,erbB3,GnT-Vの発現が確認されている胆道癌細胞においては,そのerbB2およびerbB3分子にgalectin-3で認識される糖鎖構造が認められた.galectin-3がerbB2およびerbB3分子上のN型糖鎖を架橋する結果,胆道癌細胞におけるこれら受容体のエンドサイトーシス(除去)が遅延して,癌細胞の増殖を促進する可能性がある. 近い将来,本邦においても開始されると考えられる胆道癌のerbB2を標的とした抗体療法や薬物療法の効果判定のための胆道癌モデル細胞を構築中である.本モデル細胞における糖転移酵素の発現レベルとerbB family membersのhomodimerizationあるいはheterodimerizationの状況,抗体療法の治療効果との関連性を解明していく予定である.
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