Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,幾何的退化を解消する従来の記号摂動法が望ましくない副作用をもたらすことを反省し,除きたい退化だけを選択的に解消できる新しい摂動法を開発することである.初年度は,3次元ドロネーメッシュ生成問題を取り上げ,従来の摂動では体積0の四面体が生じるという副作用の防止法を開発した.2年度目は,線分交差判定問題における記号摂動の副作用防止方法を開発し,超大規模集積回路の配線チェックを,例外処理なしで実行できる方法を構築した.最終年度の本年度は,これまでの成果に基づいて,副作用を避けることのできる選択的例外解消法の一般論を追求した.その基本アイデアは,入力データに摂動を加えるという従来の方法をやめて,問題自身に摂動を加えるという発想の転換である.実際に,ドロネーメッシュで体積0の四面体を避けるためには,問題自身をラゲールドロネーメッシュ問題へ置き換え,配線の交差チェックでは,線分をひし形図形に置き換え,いずれの場合も問題自身を変更した.この発想の転換は,データに摂動を加える従来法に対して,「超摂動」とよぶことができる.この新しい考え方を適用することによって,多面体の集合演算における縮退頂点の位相的整合性の確保,コンピュータグラフィックスにおける立体表面模様のすき間解消などの手法を開発できた.これらの研究を通して,「例外は記号摂動によって解消できるからアルゴリズムの設計においては例外は考えなくてもよい」という記述の欺瞞性を告発することもできた.
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