Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成21年度は,平成19年度及び平成20年度の成果を踏まえ,それぞれの研究をより発展させる形で,一般的な色覚特性を有する人と一色型・二色型色覚特性を有する人の双方にとって弁別の容易な画像を生成する方法を実現し,その実応用性を確認した. 具体的には,色覚異常者の中でも比較的多いと言われる二色型第一,及び第二色覚特性(赤と緑などの弁別が困難)を持つ人を主な対象とし,混同色線理論に基づき,混同色に関連したコスト関数を構成し,ある種の最適化問題として捉え,それを解き,画像中の明度で色の違いを表現する方法を実現した.これにより,彩度と色相は不変な状態で,つまり,色みの変更はせずに,明度の変更のみにより弁別困難を解消している.したがって,一色型・二色型色覚特性を有する人の双方にとって弁別の容易な画像の生成ができるようになった.さらに,弁別のしやすさのみに主眼をおいた従来の色変換法では,変換後画像の色から与えられる印象は,原画像から程遠く,一般的な色覚特性を有する人にとっては,まるで異次元であったが,本開発方法では,この問題点も解決している.すなわち,一般的な色覚特性を有する人にとっても変換後画像が違和感のないものとなっている.また,色変換が不必要な画像,つまり混同色の含まれない画像に対しては,提案手法が恒等変換となることも確認した. 以上より,多様な画像への応用と提案手法の精緻化,画像に応じた最適パラメータ値の自動決定,映像情報への対応,実時間性の向上などが今後の課題として残るものの,比較的良好に実施されたと言える.
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