Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
成熟した硬骨魚の後脳に左右1対存在するマウスナー(M)細胞の最大の特徴は,単発の活動電位を発生して逃避運動をトリガーすることである.M細胞を発火させる強力な感覚入力は聴覚である.しかし,発達期のM細胞の機能は不明であった.本研究では発達期の逃避運動におけるM細胞の役割とM細胞を駆動させる聴覚入力の投射を調べ,機能的な回路の発達機構を理解すること目的とした.ゼブラフィッシュ胚および稚魚を用いた生理学的・形態学的実験を行い以下の知見を得た. (1)ゼブラフィッシュのM細胞の単発発火特性は受精後90時間以降で獲得される.(2)それに対応して,低閾値型カリウムチャネルKv1がM細胞の軸索初節部の膜に表出する.(3)M細胞の破壊の効果は受精後80時間以降ではじめて有意に現れた.すなわち,M細胞は受精後80時間以降で逃避運動に大きな役割を果たすことが示された.(4)M細胞の活動にとって,もっとも重要な入力である聴覚入力の発達について,M細胞や感覚神経にGFPを発現するトランスジェニック・ゼブラフィッシュを活用して,電気生理学的・形態学的に調べた結果,M細胞が音に応答するよりずっと前に,機能的な聴覚回路は形成されていて,内耳の有毛細胞が音による振動を電気信号に変換する過程が,M細胞の聴覚獲得の時期を決めることを見出した.成果の(3)と(4)については2報のJ. Neurosci.に発表した.
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