Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,カキ殻を担体にした高機能性保持のバイオフィルムを構築し,安全で低コストであり,再使用可能な環境低負荷対応の微生物による水浄化処理法を確立し,家庭や小規模食品工場などが簡単に扱える排水浄化システムを開発することが目的である。 最終年度は水浄化処理システムの実現に向けて,日本酒製造過程で生じる酒米洗米水を浄化するための処理装置を試作し,工場で実地試験を行った。昨年度,確立した高機能性のカキ殻バイオフィルムを作製し,酒米洗米水浄化に用いたところ,CODが1/3に減少するばかりでなく,微生物分解には難しいとされる全リン量や全窒素量も軽減できることが分かった。しかも短期間で,汚水が効率よく浄化されており,カキ殻バイオフィルムによる水浄化は他方面に応用できると思われる。さらにバイオフィルム形成したカキ殻は高性能を保持したまま浄化に再利用できることや,懸濁物質が軽減するばかりでなく残余汚泥も減少することが明らかになり,低コストで管理の煩わしさも不要という処理法の構築が可能になった。 ラボスケール,工場スケールで種々の浄化処理条件を検討した結果,カキ殻バイオフィルムの微生物群が生育できるような保温や酸素の供給が必須条件であることが分かった。日本酒製造工場における試行実験でも浄化能力は十分確かめられたので,上記の設備を組み込んだ工場レベルでの処理システムの設計を行った。家庭の雑排水の浄化についてもカセット式処理装置を試作し,種々の雑排水に耐えうるよう改良を加えており,十分に実用化が図れると思われる。以上のように,カキ殻バイオフィルムによる浄化法システムの開発という,最終年度の研究目的を達成することができた。
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