Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,人と一緒に食事を取りながら話す「テーブルトーク」が人に与える効果を社会学,食生活学,ヒューマンインタフェース工学から多面的に分析し,その構造を明らかにすることである.昨年度収録した3組の友人同士の食事中の会話映像を分析用コーパスとして,共食の行動の構造を分析した.食事動作,視線・表情の表出,発話,およびそれらの行動を書き起こし,食事の動作をホーム(箸や食器を持たない状態),食器把持(食器のみを持っている状態),食物把持,摂食に分類し,この食事動作状態と発話/非発話動作が干渉し,人は食事の動作によって会話を始める前に話す意欲を表出していることを見出した.また,話す/食べるタイミングを相手に合わせるために食べ物を口の近くまで寄せつつその時点で話す/食べる,を決定していることが示唆された.これらを状態遷移モデルとして提案した.この結果を電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎研究会で発表し,年間の最優秀論文として表彰された. また,大皿,銘々皿の食事形式とコミュニケーションの関係を分析し,大皿形式の食事が会話や身振りの盛り上がり効果の大きいことを明らかにした.以上のように共食の行動様式,共食のコミュニケーション効果を明らかにすると共に,テーブルトークエージェントの食事シーンの生成の環境を構築し,食事動作映像を生成した.今後,本研究にかかわる研究者との共同研究体制を拡大し,行動の分析を実施し,エージェント共食システム,映像による遠隔テレダイニングシステムを構築し,孤食と共食の比較,人と人,人とシステムとの共食の比較評価を進める予定である.
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