菌根共生システムを応用した希少野生植物の増殖と保全
Project/Area Number |
19651099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Resource conservation science
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 明義 Shinshu University, 農学部, 准教授 (10324237)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 菌根共生 / 3者系 / 外生菌根菌 / 希少野生植物 / 保全 |
Research Abstract |
平成19-20年度に行った実験結果より,特定の外生菌根共生系がシャクジョウソウ亜科植物の発芽に関与することが明らかにされたが,発芽植物体のサイズは1mm未満と小さく枝分かれした根系の発達には至らなかった.そこで,(1)ギンリョウソウ自生地で生育するマツ科やブナ科の外生菌根苗をポットに移植しギンリョウソウ種子を埋め込み発芽を誘導す実験,(2)ならびにギンリョウソウ自生地にギンリョウソウ種子を多量に埋設し発芽を誘導する実験を行った.その結果,室内で管理したポット実験のみにおいて,種子の発芽が誘導され,分岐を繰り返す根系にまで発達させることに成功した.野外実験において種子発芽が誘導されなかった環境要因を探るべく,ギンリョウソウ自生地のアカマツ林における外生菌根バイオマスの長期モニタリングデータ(6年間)を解析した結果,外生菌根バイオマスの年変動が著しく大きかった.このため,ギンリョウソウ種子発芽を誘導しうるだけの十分な外生菌根菌バイオマス(ならびに土壌中の菌糸体)がないと,種子発芽が進行しないと推察された. 一方,平成19-20年度に確立した実験系では,特にギンリョウソウの場合には,菌根合成から種子発芽に至までに長期間を有する事から,新たな実験系の構築についても検討した.ギンリョウ成体の根系より,新鮮な菌根チップを切り出し,in vitro系で無菌発芽させたマツ実生の根系に接種し,菌根菌定着を試みた.その結果,分子同定によりRussula属およびLactarius属と考えられる菌種がアカマツと外生菌根を形成しており,ギンリョウソウと菌根関係にある菌種を直接的に外生菌根性樹種に乗り移らせる手法を確立できた.したがって本手法を応用する事で,in vitro系におけるギンリョウソウの種子発芽実験に応用できると考えられた.現在,これらの成果をまとめた学術論文を準備中である.
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)