フェルガナ渓谷の環境リスクとヒューマン・インセキュリティ-水資源を中心に-
Project/Area Number |
19651101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Area studies
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 喜博 東北大, 環境科学研究科, 教授 (40250857)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 中央アジア / 環境リスク / 人間生活環境 / 水資源 / 環境 |
Research Abstract |
ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンにまたがり、中央アジアで最も人口密度が高く、最も肥沃な農業地帯で、かつ天然資源が豊富なフェルガナ渓谷は、現在ソ連邦時代からの遺物である環境破壊、とくに産業廃棄物による土壌・水汚染と水欠乏が著しい地域である。 このような環境破壊は人間と人間社会のセキュリティを著しく歪め、さらに資源獲得競争と人口圧力と相俟って、フェルガナおよびその周辺地域の政治的社会的不安定をもたらしている。この研究では、まず当該地域の水資源と産業廃棄物からもたらされている環境リスクの内容を分析し、次にこの環境リスクがフェルガナおよびその周辺地域・国の経済・社会・政治的構成に与えている影響とそのメカニズムを解明することを目的とした。 19年度は、現地調査を含め前半部分の研究を実施した。研究はウズベキスタンとキルギスの現地研究者と共同で実施された。そのうち、今回は3名の研究をまとめた。研究代表者は、フェルガナ渓谷の環境リスクの実態を、産業廃棄物、水資源、農地、自然災害などに分類し、これらがヒューマン・セキュリティを以下に阻害しているかのメカニズムを明らかにした。ウズベキスタンの海外共同研究者(タシケント国立経済大学准教授マハマトジョン・カシモフ)は、中央アジアの独立以降フェルガナ渓谷の農村地帯で起こっている社会経済的な変化を農地所有の自由化と農地経営の多様性に焦点を合わせて実態調査した。そこでは新に企業家的な経営を確立できた農民とこれに預かれない農民との経済格差がますます拡大している実態が解明された。キルギスの海外共同研究者(キルギス・アカデミーの社会学者アイヌール・エルバエヴァ)は、独立以後のキルギス共和国で起こっている人口問題を、エスニシティ、労働、移民という視点から分析し、これに対する国家の法的対応と個人レベルの生活の安全保障を論じた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)