ヴァナキュラー写真の美学―物=イメージとしての写真の諸相についての比較研究―
Project/Area Number |
19652014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aesthetics/Art history
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前川 修 Kobe University, 人文学研究科, 准教授 (20300254)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 写真 / ヴァナキュラー / マテリアル・カルチャー / デジタル写真 / 写真論 |
Research Abstract |
本年度は、まず二〇世紀後半のヴァナキュラー写真資料調査をし、世界各地で関催されつつあるヴァナキュラー写真展を概観する作業を行った。またこれとともに、理論的枠組みとしてのヴァナキュラー写真論の起源をいくつかの言説において検討した。 まず、ポストモダン以降の写真論(アラン・セクーラ)を手掛かりに、ヴァナキュラー写真を含めた写真の機能を論じるための理論的核(論文「セクーラの写真論」、)。また、ポストモダンの写真論が、モダニズム的議論の行き詰まり、そしてその遠因であるメディア相互(絵画、写真、ヴィデオ)の摩擦とも言える状況に由来すること、つまりヴァナキュラーなイメージの相互参照の次元から生じていることも明らかにした(発表「メディア論の憑依」)。 第二に、ヴァナキュラー写真の身体とイメージ=物とのかかわりについて、先行する研究(ハンス・ベルティング)を参照しながら、イメージの力学が陥りがちなある種の形而上学を批判的に検討しながら、写真におり重ねられる記憶や身体の次元を詳細に検討した(論文「物としての写真/写真としての物」)。 第三に、従来、モダニズム写真論(写真史)の権威とみなされている写真批評家ジョン・シャーカフスキーの言説を読解し、彼の理論の影響関係を掘り起こし、コーウェンホーヴェンやジョージ・キューブラーなどの「ヴァナキュラー文化論」や「物の歴史」がシャーカフスキーの論の根底に深くかかわっていることを明らかにした。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)