Project/Area Number |
19652034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 芳彦 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 教授 (20126022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 重広 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40283048)
山田 友幸 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40166723)
中戸川 孝治 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20237316)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 語用論 / 日本語学 / 動的側面 / 関連性理論 / 演繹的推論規則 / 意図の論理 / 談話分析 / 発話行為 / 世界知識 / 構造的制約 / 論理的前提 |
Research Abstract |
本研究は、語用論の動的側面の形式化を図ろうとするものである。 昨年度検討した我々の形式化は、関連性理論のいう総合的演繹規則を更新関数とするもので、発話自身が変化しなくても、話者の意図の切り替えによって、適用する演繹規則を切り替えることができ、語用論的な解釈の動的側面を説明している。本年度は、演繹規則の位置づけ、あるいは演繹規則の切り替えの原理的な仕組みについて検討した。演繹規則のうち切り替わりうるものとは、知識や思い込みといったものであり、それらは推論においてデフォルトをなしている。短いスパンの発話が動的というより静的におこなわれているのは、デフォルト論理でエクステンションを静的に確定させることができる(つまり、知らなくてもいつか知ることが出来る)ことに対応している。談話の真に動的な部分は、デフォルトとして働く演繹規則が切り替わることでおきるのであり、それは意図をもってデフォルトを切り替える(つまり、エクステンションを変える)ことに相当すると定式化することができる。論理学の理論としてアップグレード論理が最近脚光をあびているが、それとの対応を検討している。 これらの装置の下で、言語による伝達の形式化をより精密に検討した。日本語においては、会話の文が命題あるいは論理形式を構成する力が弱く、曖昧な伝達やプランニングが見られるが、それらを制約の形式で伝達するようなモデルを仮定すると、談話レベルのプランニングが明確になることが分かった。統語理論として過去に検討されてきた情報の部分性に関する研究との対応を検討している。
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