Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
研究の最終的な目標は,CaflishとMaddocksによる平面上の1次元弾性体の運動方程式の解の存在定理を一般のRiemann多様体Mに拡張することにある.最終年度である今年度は,昨年度までに得られた結果をもとに,一般の左不変なRiemann計量を持つLie群における問題を完全に解決できた.即ち,次の定理が証明できた. 定理:左不変なRiemam計量を与えたLie群(G,g)において,Caflish-Maddocks型の1次元弾性体の運動方程式は任意の初期値に対して無限時間の解を持つ.この系として,次の定理が得られた. 定理:Riemann対称空間において,Caflish-Maddocks型の1次元弾性体の運動方程式は任意の初期値に対して無限時間の解を持つ. 完全に一般のRiemann多様体における存在定理までにはいたらなかつたが,具体的Riemann多様体の代表である対称空間における存在定理を得たことで,本研究はその目的を達したといえる. 昨年度までに両側不変な計量に関しては存在定理を得ていた.片側不変計量の場合は,(1)閉測地線の条件が定数条件ではなくなること,(2)常微分方程式の先験的既知関数に関する微分が高くなること,という問題が生じる.(1)は新しく「閉測地線からのズレ」をあらわす幾何学的な量を導入することでその困難を解決した.(2)は,その障害となる項を線型な項に繰り込む形に方程式の変形をすることでその困難を解決した.
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