ピコ秒の時間分解能を有する原子位置分解能表面振動分光法の開発
Project/Area Number |
19654042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上原 洋一 Tohoku University, 電気通信研究所, 教授 (30184964)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 振動分光 / 原子・分子 / STM / 光学分光 / 原子位置分解能 / ピコ秒時間解能 |
Research Abstract |
走査型トンネル顕微鏡発光(STM発光)分光による「固体表面吸着種の振動分光技術」とSTMの試料-探針間ギャップにピコ秒パルスレーザーを照射することによる「時間分解STM発光」を組み合わせることにより、ピコ秒の時間分解能を有する原子位置分解能表面振動分光法を開発することが本研究課題の目的である。通常のSTM発光では観測されないが、ピコ秒レーザーを照射した場合には観測される振動モードが発見出来れば目的が達成されたと言える。計画調書の段階では、ストリークカメラを用いた計測によりこのようなモードの探索を行う予定であったが、平成19年度の研究によりレーザー照射に伴うSTM発光のパルス化がSTM発光強度から判定できることが分かった。この成果を受けて、ストリークカメラに比較して遙かに高感度な計測が可能となる光マルチチャンネル検出器で実験を行うことに計画の一部見直しを行った。 平成20年度は(実施計画書に記載した)Ni(110)-H系に加えてCu(110)-Benzene系の2種類の吸着系ついて、吸着種上に探針を固定し、STM発光を観測した。その結果、何れの系においても「レーザー照射を伴わない通常のSTM発光」では表面に垂直に振動するモードのみが観測されるのに対し、時間分解STM発光の配置では、表面と平行な振動モード(以下、横方向モード)が重畳して観測されることを発見した。このことは、横方向モードの観測により、時間分解STM発光計測が可能になることを示し、目的が達成されたたと結論される。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)