Project/Area Number |
19654064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
深尾 浩次 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (50189908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猿山 靖夫 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (50162532)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ガラス転移 / ガラス状態 / 非平衡状態 / 揺動散逸定理の破れ / 有効温度 / ノイズ解析 / 誘電測定 / メモリー効果 |
Research Abstract |
乱れた系の現象を記述するためには平衡統計力学は不十分であり,揺動散逸定理(FDT)はガラスなどの系では一般に破れている.しかしながら,ガラスなどの乱れた系でも,温度の定義を拡張することにより,見かけ上FDTが成立することが示唆され,非平衡系の大きなテーマとして注目されている.本研究では過冷却液体状態にある高分子に対して外場の印加により,非平衡状態を実現し,そこでの揺動散逸定理の破れを振動回路のノイズのパワースペクトルを測定することにより実験的に検証することを最終目的にする.本年度は初年度問題となった点を克服するとともに、以下の述べる非平衡状態であるガラス状態とガラス転移近傍のダイナミクスについて調べた. 1. 平衡状態であるガラス状態での誘電測定に伴うノイズの取り扱いが重要であるとの認識のもとに、エイジングダイナミクスにノイズ解析を応用するR. Nigmatullin氏との共同研究を継続し、その成果については学術雑誌に投稿した。 2. ポリ2クロロスチレン(P2CS)のガラス状態でのエイジング過程で電気容量測定を行うことを通して、誘電感受率と体積の同時測定が可能であることを見い出した。これを用いて、誘電率と体積で観測されるメモリー効果・若返り効果の詳細を調べ、交流誘電率が明確な若返り効果を示す条件下でも、体積はほとんど若返り効果を示さないことを明らかにした。このことから、ガラス状態でのエイジング現象を支配する特性長が存在することが明らかとなった。 3. ガラス転移温度以上の「液体状態」にある高分子に対して、「流動」として、温度の変調をかけることにより、α緩和時間がどのようなレスポンスをするのかを調べた。その結果、α緩和時間の相関時間を実験的に評価することに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)