Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
地球中心部の構造を解明するためには,地震波データの蓄積は不十分である.本研究は,理論的視点と実際的見地から,有効な地震データの吟味とその観測方法を追求することを主眼とした.本年度が最終年度でなので,理論的見地と実際的見地から検討した結果,以下のような結論を得た.ダイレクト・ソリューション法(DSM)を用いて,伸張軸が真下を向く逆断層型の震源メカニズムをもつ深発地震の波形を計算し,0.5~1HZの周波数範囲で確認すると,内核の表面で反射してくるPKiKPと地球の中心を通過して内核の反対側で反射してくるPKIIKPを数値誤差が小さい範囲で確認することができる.その時のPKIIKP/PKiKP振幅比は約20分の1であった.しかし現実的な信号対ノイズ比(SN比)を考慮するとPKIIKPの検出機会はさらに厳しいものになると容易に予想できる.日本に超高密度の微小地震観測網(Hinet)が構築されてから10年間でPKiKPがもっとも顕著に見えた2001年7月3日マリアナ地震の記録から,PKiKPのSN比が2以上あり,かつ相互の波形の相似性が高い記録130本を選び出し,微小な時間のずれを補正して波形重合を行った.線形重合や非線形重合をおこなってSN比を100近くまで改善してもPKIIKPと見られる有意なフェイズを検出することはできなかった.これは,内核の減衰が強いことや内核境界の裏側の反射効率が低いことも考えられるが,ノイズが大きいために波形重合の効果が活かされなかった可能性も否定できない.本研究課題で検討した臨時地震観測のスタイルは,別のプロシェクトで実施されている中国における観測で採用された.まだデータの蓄積は十分ではないがノイズがとても小さいことを確認しており,本研究課題でも試した波形重合を適用して興味深い地震波を検出できるものと期待している.
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