動的分子認識システムに基づく触媒的分子変換反応の開発
Project/Area Number |
19655012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩澤 伸治 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40168563)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ホウ酸エステル形成 / 1.3,5-ベンゼントリスボロン酸 / かご形ボロン酸エステル / ナフタレンビスボロン酸 / ジアリールエテン / 光異性化反応 / 自己組織化 / ホウ酸エステル / 1,4-ナフタレンビスホウ酸 / テトラオール / 動的自己組織化 / 大環状ホウ酸エステル / ビスホウ酸 |
Research Abstract |
本年度の研究では、ホウ酸エステル形成に基づく動的自己組織化の一般化および構築した動的ホスト分子を活用した選択的分子変換反応への展開を目的に研究を行った。まず、1,3,5-ベンゼントリスボロン酸とテトラオールとをメタノール溶媒中で混合したところ、ゲスト分子を積極的に添加せずとも3分子のテトラオールと2分子のトリスボロン酸とからかご形ボロン酸エステルの自己組織化が進行することを見出した。このとき生成物の3つのテトラオール部位が全て同じエナンチオマーで構成されたものが単一のジアステレオマーとして得られた。また驚くべきことに、m-またはo-キシレンを添加したメタノール溶媒中で同様の自己組織化を試みると、1分子の異なるエナンチオマーを含んだかご型ボロン酸エステルが高ジアステレオ選択的に生成することを見出した。これは、ゲスト分子の形状を認識して二種のジアステレオマーがそれぞれ選択的に自己組織化していることを示す、非常に興味深い結果である。また、各種のナフタレンビスボロン酸を用いて同様にテトラオールとの自己組織化について検討を行った結果、適切なゲスト分子存在下で2分子のビスボロン酸と2分子のテトラオールとからなる大環状ボロン酸エステルが生成し、これが溶液中で電子不足な芳香族化合物を包接する能力を有することを見出した。これらの結果はこのホスト分子を選択的分子変換反応へと利用する際の重要な鍵となる成果である。これに加え、光機能性部位としてジアリールエテンを含んだビスボロン酸誘導体を用いた検討も行い、この場合にもゲスト分子存在下で大環状ボロン酸エステルが形成すること、しかもこれにより光異性化反応の量子収率が大幅に増大することも見出した。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)