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¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
近年、ラジカル分子の酸化還元反応を充放電に利用した有機ラジカル電池の研究が注目を集めている。この二次電池は高速度の充電が可能で、かつ長寿命であり、さらに電極に重金属を用いず環境に低負荷であることから、今後の発展が期待される。本研究では新規の超高密度ポリマーを合成し、各種特性とともにラジカル電池の活物質としての可能性を検討した。 2,2,6,6-tetramethylpiperidine-l-oxy(TEMPO)および2,2,5,5-tetramethylpyrolidine-l-oxy(PROXY)を有するノルボルネン誘導体を合成し、ルテニウムカルベン触媒を用いてメタセシス機構により開環重合した。また別の超高密度ラジカルモノマーとしてTEMPOおよびPROXYを側鎖に有するフェニルアセチレンおよびプロパルギル誘導体をロジウム触媒を用いて重合した。ラジカルは重合を阻害せず、高い収率でポリマーが得られた。生成ポリマーを正極の活物質として用いたセルの充放電試験の結果、放電容量が21.3-117Ah/kgの可逆的な二次電池特性を示した。また、ポリマーの側鎖に結合した二つのTEMPO部位の立体構造が充電容量に大きく影響することが明らかとなった。非常に興味深いことに、二つのTEMPO部位をendo,exo位に導入したポリマーが理論値(109Ah/kg)と同程度の大きい充電容量を示し、6A/gという非常に高い電流密度を用いて充電を行っても大きな容量(90Ah/kg)を有していた。これは非常に速い充電(1分以内)の可能性を示唆している。またこのセルは優れたサイクル特性を有しており、いくつかのポリマーは充放電を400回繰り返しても充電容量は10%も低下しなかった。
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