スピン偏極電子注入面発光半導体レーザの実現と量子情報処理への応用
Project/Area Number |
19656021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河口 仁司 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (40211180)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 面発光半導体レーザ / スピンエレクトロニクス / スピン偏極電子 / 先端機能デバイス / 量子情報処理 / (110)基板上面発光半導体レーザ / 円偏光レーザ発振 |
Research Abstract |
光ファイバ通信の光源として用いられている半導体レーザに、単に光を出すだけではなく、新しい機能をもたせることができれば、新たな展開に結びつくものと期待できる。特にスピン偏極した電子がひきおこすレーザ発振特性の変化は、新奇な機能デバイスの創成に発展する可能性が大きい。本年度は以下の2項目について検討した。 (1)GaAs/AlGaAs(110)量子井戸中の電子スピン緩和 GaAs/AlGaAs(110)量子井戸はスピン緩和時間が(100)量子井戸に比べ長く、スピン偏極電子をもちいたデバイス用の構造として有用である。GaAs(110)基板上のMBE成長は、(100)基板上に比較し困難であるため、昨年度は、MBE成長の最適化、特に、成長温度、成長速度、およびGa/Asのフラックス比の最適化を検討した。本年度はMBE成長中、成長を一時中断することにより界面の平坦性を向上させ、電子スピン緩和と平坦性の関係を系統的に評価した。その結果、GaAs上にAlGaAs層を成長する直前で成長を30秒中断することにより平坦性が向上し、フォトルミネッセンスの半値幅が狭くなるとともに、スピン緩和時間が4Kで2.1nsまで長くなることを見い出した。 (2)円偏光励起GaAs(110)基板上面発光半導体レーザ スピン偏極電子を活性層中に生成すると、遷移確率が発光の偏光に依存するため、レーザ発振偏光も電子のスピン偏極に依存することになる。(1)で述べたように、GaAs(110)基板上量子井戸中の電子スピン緩和時間はGaAs(100)上量子井戸中に比べ数十倍長い。この特性を生かし、GaAs(110)基板上にInGaAs/GaAs多重量子井戸を活性層とする面発光レーザを作製し、円偏光のフェムト秒パルスで励起することによりスピン偏極電子を生成し、100%に近い偏光度の円偏光レーザ発振を実現した。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)