Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,熱可塑性耐熱高分子PEEKに紫外線遮断性能を有する金属酸化物ナノ微粒子を分散させることで,耐紫外線性・靭性を兼ね備えた宇宙用複合膜材の開発指針を得ることにある.本研究では添加する金属酸化物として酸化チタンと酸化亜鉛の2種類を選択し,種々の条件(金属酸化物の材質,粒子径,粒子濃度,成形圧力,成形温度等)で複合材の試作を試みた. 平成19年度の研究により,金属酸化物微粒子の濃度が増加するにつれ,マイクロバブルが基地に残存し硬さを低下させることがわかった.このため,PEEKと金属酸化物の複合粉末を溶融させながら任意の圧力で成形する圧縮成形機を新たに開発し,複合膜材の製作に適用した.その結果,本研究で選択したいかなる条件下においてもマイクロバブルが発生しないこと,金属酸化物粒子の濃度を上昇させることにより硬さを増加できること等が明らかとなった.一方,紫外線照射前後の材料表面の色差を利用することで,耐紫外線性を簡易に評価する新たな手法を開発し,本試作材の評価に適用した.試作した複合膜材に,異なる量の紫外線を照射した後,EPMA分析,SEM観察,硬さ試験,色差測定を行うことで,耐紫外線性・機械特性を向上させる条件を調べた.これらの評価を総合すると,金属酸化物微粒子としては,酸化亜鉛より酸化チタンを選択した方が複合材としての耐紫外線性が高くなること,種々の製造条件のうち,平均粒径270nmの酸化チタンを濃度20%で分散させた場合に,耐紫外線性・機械特性が最も向上すること等が明らかとなった.
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