Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
気泡を含む流体に関する多分野融合問題,具体的には,噴火様式を決定付ける要因とされる「マグマの破砕」現象の解明に取り組んだ.研究手法には,高い再現性と可視化撮影の実現性を重視して「マグマ模擬材料による常温室内実験」を採用した.模擬材料は,「水あめ」に過酸化水素水と二酸化マンガンを加え,触媒反応により酸素気泡を得たものである.この模擬材料は,マグマの持つ特徴である「超高粘度」「高剛性」「Maxwell型粘弾性」を併せ持ち,発泡マグマと同様に直径数10μmの気泡を大量に含んでいる.また,粘度,ボイド率も幅広い範囲で調整ができる.実験では,減圧による発泡材料の破砕過程を高速度撮影により詳しく調べた.その結果,十分固体的な状態におけるマグマの破砕は,破砕に必要な臨界差応力に達する時間tdecが特性をつかさどることを見出した.また,材料の固体流体遷移を支配する緩和時間trとの比(デボラ数: tr/tdec)を指標として,破砕に必要な臨界差応力に対するレオロジーの影響を詳しく調べた結果,臨界デボラ数(10)以上では,差応力はほぼ一定になること,また,臨界デボラ数を下回ると,次第に差応力が大きくなることが分かった.つぎに,減圧開始から破砕にいたるまでの時間tfに対するレオロジーの影響を評価したところ,デボラ数に反比例することがわかった.さらに,その最小値は減圧特性時間tdecによって,その最大値は,材料内の気泡が膨張を開始する特性時間tvに支配されることが分かった.これまでの成果を取りまとめたものを,雑誌論文2編,図書1巻として公表した
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