Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究では実験及び数値実験を実施することにより気体-表面相互作用の詳細を明らかにすることを目的とした.速度と方向の揃った分子線を用いて散乱形態を測定する分子線散乱実験と平均化された統計量としての経験的なパラメータであるエネルギー適応係数を結び付けることによって,相互作用の詳細を明らかにする. まず,光学的非接触測定法である共鳴多光子イオン化(REMPI)法を用いて分子線の内部状態を明らかにすることを試みた.REMPI法はレーザー光により気体分子をイオン化する手法であり,高感度かつ回転エネルギー分布を取得できることが特徴である.排気系や真空装置を改善することにより真空装置内を超高真空に維持可能となり,窒素分子線のREMPIスペクトルの取得に成功した.その結果,導出された回転温度は理論的な並進温度とは明らかに異なっており,自由度間非平衡が生じていることが明らかとなった. また,エネルギー適応係数に関して,金属細線を低圧力下で通電加熱することにより気体分子へのエネルギー移動量を測定するLow-Pressure法を用いて,白金表面に対する窒素,酸素,アルゴンのエネルギー適応係数の取得に成功し,既存の結果とも良い一致を示すことを確認した.さらにシリコンを用いて同様の手法による測定を試み,潜在する問題を明らかにした. 分子線散乱実験による詳細条件とエネルギー適応係数取得実験における平均化された統計量の関係を明らかにするため,分子動力学法を用いて解析した.その結果,詳細条件の結果のみを利用して定性的な予測がある程度可能なことを明らかにした. また,固体表面に塗布することで圧力を測定可能な感圧塗料を対象として,気体-表面相互作用についての解析も実施した.感圧塗料は固体表面へ向かう数流束を計測していると考えられることが分かり,実験的に相互作用を解明する手法として有用であることが明らかとなった.
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